一般雇用で働いていた頃にうつと双極性障害を発症し、精神障害者保健福祉手帳を取得。就労移行支援を経て、大手企業の特例子会社へ。面接を受ける側と、面接をする側の両方に座りました。
はじめに

支援員やエージェントから特例子会社をすすめられて調べてみたら、「闇」「やめとけ」という言葉ばかり出てきた。
そんな不安を抱えて、このページを開いた方も多いのではないでしょうか。
私は一般雇用の3社すべてで体調を崩し、双極性障害と診断されて精神障害者保健福祉手帳を取得しました。
就労移行支援を経て大手企業の特例子会社に障害者雇用で入り、1社で13年続けて働いています。その間、採用担当として面接する側にも座りました。
先にお伝えしておくと、私は特例子会社を辞めていませんし、中を知っているのは今の1社だけです。
この記事は「中にいる側の記録」として書き、ほかの会社のことは「私の会社では」と分けて書いていきます。
この記事でわかること
- ネットで「闇」と言われる噂8つの、本当の部分と違う部分
- 13年いる私が「これは闇っぽい」と感じた2つのこと
- 闇のある特例子会社を、入る前に見分ける方法
- 迷ったときの相談先
こんな人に読んでほしい
- 特例子会社をすすめられたが、ネットの評判を見て迷っている
- 応募する前に、合わない会社を見分ける方法を知りたい
- 今いる特例子会社で「うちだけ?」と感じている
1. 特例子会社は本当に「闇」なのか? 先に結論

結論から言うと、特例子会社に「闇」と呼ばれる面はあります。
ただ多くは、会社全体というより、その会社・その部署と自分との相性で出てくるものだと私は考えています。
「闇はあるのか、ないのか」。あなたがいちばん知りたいのは、まずそこですよね。
この章では、13年いる私がそう考える理由と、噂8つの一覧、特例子会社の仕組みを短くまとめます。
1-1. 結論:闇は「会社全体」より「会社と部署の相性」で出る
そう考える理由のひとつは、同じ特例子会社について、正反対の悩みがネットに並んでいるからです。
Yahoo!知恵袋には、仕事が多すぎてつらい、簡単すぎてつらい、という逆向きの相談がどちらも出てきます。
もうひとつは、採用する側の会話です。
採用担当として面接に立ち会っていた頃、採用側でよく話し合っていたのは「この人はどの部署から始めるとよいか」でした(4章で書きます)。

中にいて、闇だと感じたことはなかったんですか?

ありました。「これは闇っぽいな」と感じたのは2つです。1つは仕事ができる人に仕事が集まること、もう1つは給料が上がりにくいこと。どちらも2章で、隠さずに書きます。
一方で私は、同じ会社の中でチームが変わって、仕事が楽しくなった経験もしています。

じゃあ、闇がない特例子会社もあるってことですか?

「まったくない」とは言えません。ただ、自分に合う会社と部署かどうかで、感じ方はかなり変わると思います。入る前の見分け方は6章にまとめました。
だからこの記事では、「特例子会社は闇かどうか」で終わらせません。どんな所で闇が出やすいのか、それを入る前にどう見分けるのかまで書いていきます。
1-2. ネットで「闇」と言われている噂8つ
検索結果や知恵袋でよく見る噂を、8つに分けて並べてみました。本当の部分と違う部分を、ひとことずつ添えています。
| 噂 | 本当の部分 | 違う部分・補足 | くわしく |
|---|---|---|---|
| 給料が安くて生活できない | 給料が上がりにくいのは、私も感じてきた | 働く時間と会社で大きく変わる | 2-1 |
| 単純作業ばかりでつまらない | 簡単な作業が中心の部署はある | 部署によって仕事の中身は違う | 2-2 |
| きつい・仕事が増えて辛い | 仕事ができる人に仕事が集まりやすい | 偏りは人と部署によって出る | 2-3 |
| 入ったら人生終了 | 職歴の伝え方に迷う人はいる | 社内で正社員になる道も、外へ移る道もある | 2-4 |
| いじめがある | 知恵袋に人間関係の相談はある | 私の見てきた範囲ではなかった | 3-1・3-2 |
| 軍隊みたいに厳しい | ルールが細かいと感じる人はいる | 私の会社にそうした決まりはない | 3-3 |
| ずるい | 親会社の雇用率に数えられる仕組みはある | 誰から見た話かで意味が変わる | 3-4 |
| 潰れる | 会社なので、なくなる可能性はゼロではない | なくなったときの扱いは8章で整理 | 8章 Q5 |
表の答えは、私の会社と、私が見てきた範囲でのものです。
まずは、表の上の4つにあたる、お金と仕事の噂から確かめていきましょう。
1-3. そもそも特例子会社とは
特例子会社は、障害のある人の雇用に特別な配慮をした子会社として、国の認定を受けた会社です。
一般企業の障害者雇用との違いは、記事の最後で紹介する関連記事にまとめているので、ここでは要点だけ書きます。
民間企業には、従業員のうち一定の割合以上の障害者を雇う義務(法定雇用率)があります。
2026年7月からは、従業員37.5人以上の企業でこの割合が2.7%になりました。
(出典:大分労働局「令和8年7月より障害者の法定雇用率が2.7%に引き上げられます」)
特例子会社として認められると、そこで働く人を親会社が雇っているものとみなして、この割合に数えられます。
認定には、障害者を5人以上・従業員の20%以上雇うなどの要件があります。
(出典:大阪労働局・ハローワーク「障害者雇用率制度における雇用率算定特例(特例子会社、グループ認定など)」)
2025年6月1日時点の数字は、次のとおりです。
- 認定を受けている特例子会社:631社(前年より17社増)
- そこで働く障害のある人:約5万4,000人
- そのうち精神障害のある人:約1万4,000人(前年の約1万2,000人から、1年で約1,800人増)
(出典:厚生労働省「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」・集計結果の資料)
仕組みが分かったところで、次の章から噂を1つずつ確かめていきます。
2. 噂を1つずつ確かめる①|お金と仕事の噂

お金と仕事の噂4つのうち、給料の上がりにくさと業務量の偏りには、本当の部分があります。一方で「つまらない」「人生終了」は、部署と働き方しだいで変わります。
どれも、働き始めてからの毎日とお金に直結する噂ですよね。この章では、公的な数字と私の会社での一例を並べて、1つずつ見ていきます。
2-1. 「給料が安くて生活できない」は本当?
給料が安いと言われるのは、数字を見ても無理のない話です。ただ「生活できるかどうか」は、週に何時間働くかと、どの会社に入るかで大きく変わってきます。
厚生労働省が2023年に行った「障害者雇用実態調査」では、精神障害のある人の1か月の平均賃金は14万9千円でした。
週30時間以上働く人に限ると19万3千円で、平均より4万4千円高くなります。
発達障害のある人は、平均13万円、週30時間以上の人で15万5千円です。
どちらも2023年5月分の、あらかじめ決められた条件で支払われる給料で、残業代を含みます。
この調査は特例子会社だけでなく、従業員5人以上の民間の事業所全体を対象にしたものです。
(出典:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果」の概要)

働く時間が短いほど、月の給料が大きく下がることは、このデータから読み取ることができます。
知恵袋にも、月15万円ほどで生活できるかという質問がありました。額面(引かれる前)か手取りかで答えは変わるので、一人暮らしの話は8章のQ2で取り上げます。

実際のところ、特例子会社の給料ってどのくらいなんですか?

会社によって本当に違うので、私の会社のひとつの事例としてお話ししますね。
私の会社では、前職の経験や年数にもよりますが、入社時の契約社員の期間は年収250〜300万円ほどでスタートします。
平社員のままでも、400〜450万円ほどまで昇給する人もいます。
この年収には賞与も含まれていて、残業代などはこれとは別に付きます。
ただしその分、給料に見合う「一般雇用と変わらない仕事の質と量」を求められることが、ほとんどの場合セットになります。
それでも給料の上がりにくさは、私が「闇っぽい」と感じてきたことのひとつなんです。
親会社や、私が一般雇用で働いていた会社と比べると、昇給の幅が小さく、給料の基準も違います。

KEN-3さん自身の年収は、どうなんですか?

特例子会社の中では上がっているほうです。それでも、一般雇用で働く同年代と比べると低いと感じています。ただ私は、リーダーやマネージャーといった昇進を目指さず、平社員のまま専門性を深める道を選びました。役職が付けば、年収はもっと上がる仕組みです。
上がりにくい理由と上げるための選択肢は「特例子会社のリアル、実際どう?」の3章に、障害年金と合わせて考える見方は「障害者雇用のデメリット7つ」の3-2に書きました。
まずは求人票の金額が、週何時間働いたときの数字なのかを見るところから始めてみてください。
2-2. 「単純作業ばかりでつまらない」は本当?
簡単な作業が中心の部署は、たしかにあります。ただ、それがその会社の仕事のすべてとは限りません。
つまらないかどうかは、会社がどんな仕事を受けているか、そしてどの部署に入るかで変わるからです。
私の会社は、親会社やグループ会社の事業の範囲がかなり広く、仕事のほとんどは、そこから社内で請け負っているものです。そのため、社内でいろいろな部署を経験できます。
知恵袋には、新卒で入った人の、スキャンや清掃の仕事が簡単すぎてやりがいがない、という相談もあります。
私も、試用期間(本採用の前に、働きぶりを確かめる期間)にまず配属された経理関係の仕事には、数字が苦手だったこともあって、正直あまり興味が持てませんでした。
3か月目に、同じ部署の中で、部署のマネージャーから声がかかって窓口業務のチームへ移り、そこから仕事が楽しくなったんです(くわしくは5章で)。

入ってから「つまらない」と思ったら、もう変えられないんでしょうか?

最初の配属がしっくりこなくても、それで終わりではありません。社内に複数の業務がある会社なら、合う場所に移れる可能性があります。ただ、異動の仕組みは会社によって違います。
2-3. 「きつい」「仕事が増えて辛い」のはなぜ? できる人に仕事が集まる仕組み
「きつい」「しんどい」と感じる理由のひとつは、仕事ができる人に、仕事が集まりやすいことです。
中にいる私も、ここは「闇っぽい」と感じてきました。
障害者雇用の職場には、配慮が必要な人や、体調が安定せず休みがちな人もいます。
そのため、体調が安定していて経験のある人に、仕事の依頼や業務がどうしても集中しがちです。
障害者雇用である以上、ここはどうしても避けられない部分なのかもしれません。
知恵袋では、精神障害のある40代の男性が、特例子会社で5年働くうちに体調が安定し、そのぶん仕事が増えてつらいと相談していました。
上司に軽くしてほしいと伝えても変わらず、給料も上がらないそうです。
回答には、仕事ができる人に仕事が集まっている、という指摘がありました。特例か一般かより「賃金が仕事に見合うか」で考えては、という意見も出ています。

仕事を任されるのは、評価されているってことでもありますよね?

そうとも言えます。ただ、任される量に給料が追いつかないと、この相談のようにつらくなりやすいんですよね。
業務量と体調の関係は、私自身も40代後半に、休職という形で経験しています。
業務量の偏りは、外から見えにくいもの。入る前に「忙しい時期はいつか」「仕事の量を相談できるか」を確かめておくと、入ってからの「こんなはずでは」を減らせます。
聞き方は6章で紹介しますね。
2-4. 「入ったら人生終了」「一般企業に戻れない」は本当?
入ったら人生終了、ということはありません。特例子会社の中で立場を上げていく道も、外の会社へ移る道もあります。
特例子会社でも契約社員から正社員になる人はいますし、そこでの職歴も、書き方しだいで実務の経験として伝えられるからです。
私の場合、試用期間は当初6か月の予定が3か月に短くなり、契約社員から1年で正社員になりました。
一方で、はじめにも書いたとおり、私は特例子会社を辞めていないので、外の会社へ移った体験は語れません。

入ってから後悔しても、一般企業の障害者雇用には移れないんですか?

移れないということはありませんよ。不利になりやすいのは「特例子会社だから」より、仕事の中身が書き方で伝わらないときです。
親会社やグループ会社から請け負ってきた仕事を、職務経歴書にどう書けば伝わるのか。書き方は、「特例子会社を辞めたい人のその後」の4章にまとめました。
ここまでの4つは、お金と仕事の噂でした。次の3章では、いじめ・厳しい・ずるいという、人と職場の空気にかかわる噂を確かめていきます。
3. 噂を1つずつ確かめる②|人と職場の空気の噂

人と職場の空気にかかわる3つの噂は、どれも「ある・ない」で言い切れるものではありません。
いじめは私の見てきた範囲ではなく、「軍隊みたい」と言われるような決まりも私の会社にはありません。ただ、会社によって違うのも事実です。
人間関係は、入ってみないと分からない部分がいちばん大きいですよね。
この章では、知恵袋の声と私の会社の様子を分けて並べ、「ずるい」という声が誰から見た話なのかも整理します。
3-1. 障害者同士のいじめや人間関係のトラブルはある?
障害のある社員どうしのいじめが、特例子会社に「ない」とは言えません。人が集まる職場である以上、どこでも起こりうることだからです。
知恵袋には、作業所で陰口や無視、持ち物を隠されるといった経験をした人が、特例子会社でも同じことがあるのかと尋ねた質問があります。
回答では、障害者同士でも優劣を付けたがる人がいる、という声がありました。
「どんな職場でもある」、特例子会社に限らず人が集まれば摩擦は起きる、という意見も並んでいます。

KEN-3さんの会社では、どうでしたか?

私が当事者としても、人事・採用担当としても見聞きした範囲では、陰口や無視、きつい言い方といったトラブルはありませんでした。ただ、あくまで私の会社の、私に見えた範囲の話です。
「特例子会社だからいじめがない」とも「特例子会社だからいじめがある」とも、言い切れません。
だからこそ、ネットの体験談は「その人がいた職場では起きた話」として読むのが、いちばん実際に近いと思います。
3-2. 指導員や健常者の社員との関係でつらくなるのはどんなとき?
指導員や健常者の社員との関係でつらくなりやすいのは、一般的には、自分の特性や配慮してほしいことが、相手に伝わっていないときが多いと言われます。
特例子会社の認定には、専任の指導員(障害のある社員の職業生活について、指導や相談を受け持つ担当者)を置くといった要件もあります。
(出典:大阪労働局・ハローワーク「障害者雇用率制度における雇用率算定特例(特例子会社、グループ認定など)」)
ただ、指導員がいることと、一人ひとりの特性をよく知っていることは、同じではありません。
知恵袋には、指導員が発達障害に理解がなく、からかいや嫌なことを言われて眠れなくなった、という相談もありました。
私の見てきた範囲では、指導員や健常者の社員とのトラブルもありませんでした。ただ、これも私の会社の話です。
関係のつらさは、「誰が、自分のことをどこまで知っているか」でも変わります(4-2で書きます)。
3-3. 「軍隊みたい」「ルールが厳しい」と言われる理由
私の会社には、「軍隊みたい」と言われるような決まりはありません。あるのは、チームごとの朝礼と夕礼くらいです。
それでも「厳しい」と言われるのは、覚えるルールの多さが、厳しさとして受け取られやすいからでしょう。
知恵袋には、障害のある子をもつ親が、特例子会社は「起立とか」がある軍隊みたいな所ではと心配する質問がありました。回答には、次のような声がありました。
- 見学や面接をした人は、軍隊のような印象は受けなかった
- 障害の違う人が一か所にいるので、覚えるルールは多いと感じた
- 一般企業にはないルールが、文書になっている印象
私の会社には、通院のための休暇が当然の権利として取れる、といった配慮もあります。
ルールの細かさは会社によって違うので、見学のときに朝礼や1日の流れを見せてもらうのがいちばん確かです。
この話は「特例子会社のリアル、実際どう?」のよくある質問でも答えています。
3-4. 「特例子会社はずるい」と言われるのは、誰から見た話?
「ずるい」という声は、誰の立場から見るかで、指しているものがまったく違います。どれか1つの見方だけで、良い・悪いを決められる話ではありません。
同じ「ずるい」でも、制度の問題点を言っている人もいれば、職場の働き方を言っている人もいるからです。立場ごとに分けると、次のようになります。
| 誰から見て | ずるく見える点 | 別の見方 |
|---|---|---|
| 制度や会社の外から見る人 | 親会社が子会社で障害者を雇い、先ほどの雇用率に数えている | 認定には、障害者の割合や指導員の配置などの要件がある |
| 一緒に働く人・一般企業の社員 | 配慮を受けて働いているのが、楽に見える | 配慮は特例子会社だけのものではなく、事業主の義務 |
| 働く障害のある人自身 | 「数合わせで雇われたのでは」と不安になる | 入ったあとに求められるのは、仕事の中身 |
2つ目の「配慮」について補足すると、2016年4月から、事業主は過重な負担にならない範囲で、障害のある人に合理的配慮(障害のある人が働きやすくなるための調整)を提供することが義務づけられています。
(出典:厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」)
雇用率の仕組みと「数合わせ」と言われる理由は、「障害者雇用で人事が本当に見ている本音」の7章で、採用側の立場から書きました。
制度の評価は、人によって答えが分かれるところ。働く側から見ると、「ずるい」かどうかより、その会社で何を任されるかのほうが、毎日に直結します。
4. 元採用担当が見た「闇」が生まれる仕組み|配属と配慮は中でどう決まっていたか

闇に見えるものの多くは、入口の部署と、配慮の使われ方のずれから生まれやすい。採用側にいた私は、そう考えています。
面接の向こう側で何が話されているのか、気になりませんか?この章では、特例子会社の元採用担当として見てきた、配属と配慮の決まり方を書きます。
勤務先の選考基準ではなく、私個人の感覚として読んでください。
4-1. 配属は「どの部署から始めるか」で決まっていた
面接に立ち会っていた頃、採用側でよく交わされていたのは「この人はどの部署から始めるとよいか」という会話でした。
未経験であること自体は、落とす理由になっていなかったからです。話し合われていたのは「入口をどこにするか」でした。
たとえば、事務の経験はないけれど、販売の経験があって人当たりがよく、人と話すのが得意な人。
こういう人は窓口業務が中心の部署が向いているので、まずはそこから始めて、会社に慣れながら事務の経験を積むのがよいのでは、という話になることが多かったんです。
私自身も、そう思う場面が何度もありました。

経験がない仕事でも、応募していいんですか?

私が見てきた範囲では、経験がないことだけで落ちることはありませんでした。それより「どこから始めれば力を出せそうか」を、採用側も一緒に考えていましたよ。
逆に言えば、入口の部署が自分に合っていないと、2章で見た「つまらない」「きつい」につながりかねません。
面接で、自分が得意なことと苦手なことを具体的に伝えておくと、採用側も入口を考えやすくなります。
4-2. 面接で伝えた配慮事項は、配属先にどう伝わるか
事前に伝えた配慮事項は、落とす材料ではなく、配属と環境を決める材料として使われていました。
私が見てきた配慮の多くは、「どこに配置するか」か「どんな道具や環境を用意するか」のどちらかで解決していました。
配置で解決した例は、その場ですぐ判断する対応が苦手で、電話や窓口の対応が難しいと前もって伝えてもらった人です。
この人は、外部とのやり取りがない部署に配置されました。
道具・環境で解決した例は、周りの声や音が気になって集中しにくい人です。
周りの音を抑えるイヤホン(ノイズキャンセリング機能つき)を使いたいという申し出があり、使えるように配慮されました。

私が見た範囲では、配慮事項が配属先にうまく伝わっていなかった例はありませんでした。ただ、個人情報の関係で、チーム内に障害の内容を伝えるかどうかの判断があります。
そのため、知っているチームリーダー以外は、配慮事項を知らないケースもあります。
一般的には、面接で伝えたことと、配属先で周りの人が知っていることとの間に、ずれが出ることもありえます。
そのずれが、本人には「配慮されない」と見えることがあります。
配慮事項を、誰にどこまで伝えてほしいのか。それを自分で決めて、面接や入社のときに相談しておくと、伝わり方のずれは小さくできます。
入社したあとに「配慮されない」と感じたときの原因の見分け方と相談の順番は、「障害者雇用で配慮してもらえないのはわがまま?」で書いています。
4-3. 同じ会社でも、部署によって忙しさも空気も違う
同じ特例子会社の中でも、部署によって職場の空気は違います。忙しさも、量だけでなく、種類が違うんです。
部署ごとに受けている仕事が違えば、職場の様子もそれに合わせて変わってくるからです。私の会社での全体の印象を、2つの部署の例で並べてみます。
| 部署の例 | 職場の空気 |
|---|---|
| 窓口業務 | 社員どうしの会話が飛び交っていて、雑談もしやすいアットホームな雰囲気 |
| バックオフィス系(事務などの裏方の仕事) | 静まり返っていることも多く、どちらかというと雑談はしにくい(仕事の上での会話ややり取りはある) |
忙しさも同じで、部署によって仕事の質や量が違うので、部署ごとに違う種類の忙しさや負担があります。
私の場合も、休職前にいたのは業務量が多く負担の大きい部署で、復職後は別の部署に移っています。
どちらの部署がよい、という話ではありません。にぎやかな所が合う人もいれば、静かな所のほうが落ち着いて働ける人もいます。
自分はどちらで力を出しやすいか、一度考えてみてください。
4-4. 入社後に「合わなかった」人の共通点
入社後に「思っていたのと違う」と苦しんだり、早く辞めたりした人には、私の感覚では3つの共通点がありました。
- 求められる仕事のレベルが、思っていたより高かった
- 職場が、思っていたより忙しかった
- 任された業務が、思っていた内容と違った
3つとも、入る前の想像と、入ってからの実際が離れていた、という点で共通しています。2章の「きつい」「つまらない」とも、重なる部分がありますよね。
採用担当として、面接や入社前の実習で「この部署とは合わないかもしれない」と感じたのも、部署の雰囲気や仕事のペースに合わないと感じたときでした。
4-3で書いた空気と忙しさの違いは、合う・合わないを分ける所でもあります。
どれも、入る前に確かめられることでもあります。では、何を見て、何を聞けばいいのか。
次の6章の前に、まず5章で、私自身が「つまらない」「きつい」を感じた時期を書いていきます。
5. 【体験談】13年いる私が「つまらない」「きつい」を感じた時期と、それでも続いた理由

私が「つまらない」と感じた時期も、「きつい」側に崩れた時期も、同じ会社の中にありました。それでも続けてこられたのは、その会社の中で、合う場所に移れたからです。
「特例子会社に入ったら、ずっと同じ場所で同じ仕事なのでは」と思っていませんか?この章では、入社してからの流れを、私の体験として順に書いていきます。

5-1. 最初の配属では、仕事に興味が持てなかった
2-2で少し触れたとおり、入社して最初の経理関係の仕事には、正直あまり興味が持てませんでした。
それでも、契約社員だった最初の1年、意識していたことはありました。
体調を管理すること、安定して出社すること、そして焦らず半歩ずつ前に進むくらいの気持ちでいることです。
2-4で書いた試用期間の短縮も、出社の安定と事務の経験を認めてもらえたからでした。
仕事に興味が持てない時期でも、毎日安定して通っていたことは、きちんと見てもらえていたわけです。
5-2. 3か月目のチームの移動で、仕事が楽しくなった
2-2で書いたチームの移動は、私が希望を出したものではありません。
部署のマネージャーから声がかかったもので、コミュニケーション力を買ってもらえたのかもしれません。

移った先では、何が違ったんですか?

指導役の先輩が、楽しそうに仕事をしていました。その姿を見て、「仕事ってこんなに楽しんでいいんだ」と初めて思えたことを覚えています。
経理関係と窓口業務のチームがあったこの部署には、入社当初から6年間いました。私が自信を取り戻すきっかけになった部署です。
4-1で書いた「入口をどこにするか」は、私自身にも起きていたことでした。最初の入口が合わなくても、会社のほうが次の入口を用意してくれることがある。
私の場合は、それが窓口業務のチームでした。
5-3. 13年の中で「闇」に見えた時期
外から見れば、「特例子会社でも結局きつくなって休職した」という、闇の話に見えるかもしれません。
40代後半、家庭の事情と忙しさが重なってうつの側に振れ、休職したときのことです。
ただ、今振り返ると、私自身の側にも理由があったのかもしれません。
- 10年以上の勤務で体調が戻り、服薬を忘れてしまうことも多くなっていた
- 長年安定していたという慢心が、あったのかもしれない
- 今思い返すと、双極性障害特有の躁状態だったのかもしれない
私は、無理が続いて少し体調に異変が出ても、周りが忙しいからと言い出せないタイプでした。これは一般雇用の3社目のときも、休職する前も同じです。
このとき私が選んだのは、退職ではなく、休職とリワーク(休職中の人が職場に戻るための訓練)でした。正社員という立場だったことは、大きな安心につながっていました。
休職から復職までの経緯は、「特例子会社を辞めたい人のその後」の6章に詳しく書いています。
5-4. 続いたのは、会社が「闇」でなかったからではなく、合う場所に移れたから
13年続けられたのは、会社に闇がなかったからではありません。休職・リワーク・異動という段階があり、そのたびに合う場所へ移れたからです。
復職のときは、入社当初に長くいた部署へ戻してもらい、勤務地も自宅から少し近い拠点に変えてもらえました。
これも、特例子会社だからこその配慮だと思います。
最初の場所が合わなくても、崩れたあとでも、同じ会社の中にやり直せる場所がありました。
正直に書くと、1-1で挙げた2つがなくなったわけではありません。
給料は、一般雇用と比べると確かに上がりにくい面がありますし、仕事が集まりやすいのも、2-3で書いたとおり避けにくい所です。闇っぽい所がまったくない会社ではない。
そのうえで、私にとっては続けられる会社だった、というのが本音なんですよね。
6. 入る前に「闇のある特例子会社」を見分けるチェックリスト

闇のある会社かどうかは、入る前に「求人票」「見学・実習」「面接」「支援員やエージェント」の4つで、かなりの部分を確かめられます。
ここまで読んで、「じゃあ、どこを見ればいいの?」と思った方も多いはずです。
この章では、特例子会社の元採用担当として、それぞれで見てほしい所を具体的に挙げていきます。
6-1. 求人票で見るところ
求人票では、業務内容がどこまで具体的に書かれているかと、働く条件を見てください。
4-4で書いた「思っていたのと違う」の多くは、仕事の中身と忙しさのずれでした。求人票は、そのずれを最初に小さくできる場所だからです。
働く条件で見てほしいのは、次の4つです。
- 雇用形態(契約社員か正社員か、契約の期間はどのくらいか)
- 昇給があるか
- 賞与があるか
- 福利厚生
福利厚生は、社員食堂や、職場に置かれた軽食、宅配の食事の仕組みなどがあるかも見ておくと、長い目で見て、健康を保つうえでの財産になると感じています。
正社員登用の実績も、求人票や面接で確かめておきたい点です。私の見てきた範囲では、契約社員から正社員になるまでは1〜2年くらいの人が多くいました。
登用の流れは「障害者雇用は正社員になれない?」で詳しく書いています。
なお、応募先が本当に特例子会社かどうかは、厚生労働省が出している「特例子会社一覧」で、会社名・所在地・親会社を確かめられます。
2025年6月1日時点の631社が、都道府県ごとに載っています。
(出典:厚生労働省「特例子会社一覧(令和7年6月1日現在)」)
一覧には、認定を受けた年月日も載っています。
6-2. 会社見学・実習で見るところ
見学や実習では、求人票には出てこない、部署の空気と1日の流れを見てください。
4-3で書いたように、同じ会社でも、雑談の多い部署と静かな部署があります。どちらが自分に合うかは、実際にその場にいてみないと分かりにくいものです。
私の会社では、オンライン会社説明会、社内見学会、入社前実習、トライアル雇用(試しに一定期間働いてから、本採用を決める仕組み)など、入る前にお互いのずれをなくすための取り組みをしています。

見学や実習があるかどうかも、会社を選ぶときの目安になりますか?

なりますよ。会社見学や説明会、入社前の実習、トライアル雇用、試用期間があるかは、入る前のチェックポイントです。こうした場があるほど、入ってからのずれは小さくしやすくなります。
見学の当日は、会話の多さや静かさのほか、一般的には、休憩をどこでとるのか、困ったときに相談できる指導員や担当者が近くにいるのかも見ておくと、入ったあとの毎日を想像しやすくなります。
6-3. 面接で確かめてよいこと
仕事の中身、忙しい時期、評価の仕組み、異動できるかどうか。私が採用担当だった頃の感覚では、面接や面談でこれらを聞いても、印象は悪くなりません。
採用する側から見ると、こうした質問をする人は、入社後のことを具体的に考えている人だと受け取っていたからです。
聞き方の例を挙げると、次のようになります。
- 「配属される予定の部署では、1日にどんなお仕事をされていますか」
- 「忙しい時期はいつ頃で、そのときはどのくらい忙しくなりますか」
- 「仕事の量が多いと感じたときは、どなたに相談すればよいですか」
- 「評価はどのような仕組みで、目標はどのように決めていますか」
- 「入社後に、ほかの部署やグループ会社へ移ることはできますか」
入社後に確かめておきたいことには、ほかにも、プロジェクトに加われる機会があるか、幅広く経験する道と専門を深める道のどちらを選べるか、といった点もあります。
逆質問全体の考え方や、聞かないほうがよい質問は、「特例子会社の面接で聞かれる質問と回答例」の6章にまとめています。
ここまでの6-1〜6-3を、1つの表にまとめておきます。
| 確かめる場所 | 見ること |
|---|---|
| 求人票 | 業務内容が具体的に書かれているか |
| 求人票 | 雇用形態と契約の期間 |
| 求人票 | 昇給・賞与があるか |
| 求人票 | 福利厚生(社員食堂など) |
| 求人票・面接 | 正社員登用の実績 |
| 求人票 | 給料が、週何時間働いたときの金額か |
| 見学・実習 | 部署の空気(会話の多さ・静かさ)と1日の流れ |
| 見学・実習 | 休憩の場所と、相談できる人が近くにいるか |
| 見学・実習 | 実習・トライアル雇用・試用期間があるか |
| 面接 | 忙しい時期と、仕事の量を相談できる相手 |
| 面接 | 評価の仕組みと、異動できるかどうか |
| 支援員・エージェント | 部署の雰囲気・忙しい時期を聞く |
6-4. 中の様子は、支援員や障害者専門の転職エージェントに聞く
求人票や面接だけでは分からない部署の雰囲気や忙しさは、その会社とやり取りのある支援員や、障害者専門の転職エージェントに聞いてみてください。
採用担当だった頃、私は就労移行支援事業所やエージェントの担当者と、求人や会社見学会・説明会などで直接やり取りする機会が多くありました。
エージェントからは、連絡や確認も頻繁にありました。
会社の外にいながら会社とつながっている人たちなので、部署の雰囲気や忙しい時期を聞ける相手にもなります。
支援員と一緒に会社見学に来た人のほうが、入社後も定着しやすい印象がありました。
障害者専門の転職エージェントの違いや選び方は、「精神障害の転職サイトはどっち?」で比べています。
どちらも、対面・オンライン・電話で面談できます。メールでもやり取りしたい人には、dodaチャレンジが合います。
どちらも利用は無料なので、両方に聞いて比べる方法もあります。
atGPがおすすめな人
- 応募先の部署の雰囲気や忙しさを、入る前に聞いておきたい
- 幅広い求人の中から、自分に合う職場をじっくり探したい
- 就労移行支援事業所とも連携したサポートを受けたい
気になる会社の中の様子を、面談で聞くところから始められます。
※運営は株式会社ゼネラルパートナーズ。利用は無料です。面談はオンライン・電話・対面(同社のオフィス)から選べます。
dodaチャレンジがおすすめな人
- メールでもやり取りしながら、相談を進めたい
- 大手企業への就職を目指したい
- 応募するかどうか、まだ決めきれていない
応募を決める前の相談から使えます。
※運営はパーソルダイバース株式会社。相談や応募、転職先が決まるかどうかにかかわらず、料金はかかりません。電話・オンライン・メールで全国から相談でき、対面の面談は東京本社・関西オフィス・中部オフィスで行っています(オンラインや電話になることもあります)。
7. 特例子会社が向いている人・向いていない人

特例子会社が向いているのは、配慮を受けながら、まず長く安定して働きたい人です。
反対に、給料の上がり方や昇進をいちばんに考えたい人には、物足りない場面があるかもしれません。
あなたが仕事にいちばん求めるものは何でしょうか。その答えで、特例子会社が合うかどうかは変わってきます。
7-1. 向いている人
体調を安定させることを優先して、配慮を受けながら長く働きたい人には、特例子会社は合いやすい働き方です。
特例子会社は、障害のある人の雇用に特別な配慮をした会社として、認定を受けているからです(1-3)。
私の会社では、転勤がなく、変化の少ない業務に配置してもらえることもあります。
たとえば、次のような人です。
- 通院や体調に合わせた配慮を受けながら、まずは長く働くことを優先したい
- 転勤や、仕事の内容が大きく変わることを避けたい
- 合う部署を見つけて、自分のペースで力を伸ばしていきたい
部署の空気や忙しさは会社の中でも違うので(4-3)、「特例子会社なら、どこでも合う」とは限らない点だけは覚えておいてください。
7-2. 向いていない人
給料の上がり方や昇進を、いちばんに考えたい人には、向いていない面があります。
2-1で書いたとおり、一般雇用と比べると昇給の幅が小さいからです。上を目指したい人にとっては、ここが大きな不満になりえます。
ほかにも、合わないと感じやすい人の特徴は「特例子会社のリアル、実際どう?」の4-3で整理しています。
7-3. 向いていないと感じたら:一般企業の障害者雇用か、就労移行支援で準備してから
向いていないと感じたら、一般企業の障害者雇用を探すか、就労移行支援で準備を整えてから動く道があります。
体調が整っていてすぐに動けるなら、6-4で紹介した転職エージェントに、一般企業の障害者雇用の求人も含めて相談できます。
まだ働く体力や生活のリズムに不安があるなら、先に準備の期間をとったほうが、次の職場で続けやすいはずです。

就労移行支援に通ってから就職するのは、遠回りではないですか?

私の場合をお話ししますね。一般雇用の3社目を退職したあと、病院の社会福祉士にすすめられて、就労移行支援に3か月ほど通いました。そこでフルタイムで働ける体力と、仕事の感覚を少しずつ取り戻したんです。
就労移行支援(障害のある人が一般の会社で働けるように、訓練や就職活動の支援を受けられる福祉サービス)では、出勤の練習もしていました。
100%近い出席率で安定して通えていたので、特例子会社には入社したときからフルタイムで入れています。
いま思えば、ここを飛ばして直接就職していたら、続かなかったと思います。
就労移行支援を選ぶなら、私がすすめたいのは、業界大手で専門性が高く、情報量も多い事業所です。
atGPジョブトレとミラトレは、支援員や利用している人の全体的なレベル・質が高いと感じてきました。
公式サイトで確かめた範囲では、atGPジョブトレは障害ごとのコースに分かれていて、ミラトレは職場を再現した環境での訓練が特徴です。
自分の障害に合わせて学びたいか、職場に近い形で働くリズムを整えたいかで選んでみてください。
atGPジョブトレがおすすめな人
- 自分の障害に合わせたコースで、訓練を受けたい
- 首都圏・名古屋・梅田の事業所に通える
- 相談や見学で、訓練の様子を確かめてから決めたい
まずは無料の相談・見学から始められます。
※運営は株式会社ゼネラルパートナーズ。相談・見学は無料です。コースはうつ症状・発達障害・統合失調症・聴覚障害・難病の5つで、事業所は秋葉原(2か所)・大手町・お茶の水・横浜・名古屋・梅田の7か所にあります(2026年10月時点)。
ミラトレがおすすめな人
- 東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫の事業所に通える
- 職場を再現した環境で、働くリズムを取り戻したい
- 体調に合わせたセルフケアや、職場でのコミュニケーションを練習したい
まずは資料請求か、相談・見学の申し込みから始められます。
※運営はパーソルダイバース株式会社。公式サイトから資料請求や相談・見学を申し込めます。事業所は東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫にあります(2026年10月時点)。
8. よくある質問

最後に、特例子会社について知恵袋や検索でよく見る疑問に、短く答えていきます。気になる質問だけ読んでみてください。
Q1. 特例子会社で働いたら、障害者だと履歴書で分かってしまいますか?
履歴書の会社名から、特例子会社だと分かる可能性はあります。6-1で紹介した厚生労働省の「特例子会社一覧」で、特例子会社の会社名は公表されているからです。
ただ、次も障害者雇用で応募するなら、障害のことはもともと伝えたうえでの応募になります。
職務経歴書での伝え方や、普通の職場に戻れるかどうかも、2-4で書いたとおりです。
Q2. 手取り15万円くらいで一人暮らしはできますか?
手取り15万円は、全国の単身世帯の平均的な支出よりも少なめです。支出を抑える工夫が必要になりやすいと言えます。
総務省の家計調査では、2025年の単身世帯(平均年齢58.6歳)の消費支出は、1か月平均17万3,042円でした。
(出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」)
2-1の数字や求人票の金額を見るときは、額面(引かれる前)なのか手取りなのかを確かめてみてください。
Q3. 障害の重い人の「お世話」をさせられることはありますか?
仕事として割り振られることは、基本的にはないという声が多く見られます。ただ、会社の方針や指導員の人数によっては、という意見もありました。
知恵袋には、自分より障害の重い従業員の「おもり」をさせられるのでは、と心配する質問がありました。
回答では、仕事として割り振られることはない、という声のほかに、会社の方針や、健常者の指導員が足りない場合によっては、という意見も出ていました。
気になる方は、6-2で書いたように、見学のときに指導員や相談できる人が近くにいるかを見ておくと、様子をつかみやすくなります。
Q4. (家族の方へ)「軍隊みたい」と聞いて心配です
3-3で書いたとおり、私の会社には「軍隊みたい」と言われるような決まりはありません。「厳しい」と言われる理由は、覚えるルールの多さにあることが多いようです。

家族として、何かできることはありますか?

本人が見学や実習に行ったときに、どんな1日だったかを一緒に聞いてみてください。支援員がついているなら、その会社の様子を聞いてもらうのもひとつの方法です。
Q5. 特例子会社がなくなったり、親会社に戻されたりしたらどうなりますか?
会社である以上、特例子会社がなくなる可能性はゼロではありません。ただ、そのときの扱いは会社ごとに違うので、私からは断定できません。
まず知っておきたいのは、雇用契約は、働く人と特例子会社との間で結ぶものだということです。
親会社との合併などで会社の形が変わる場合の扱いも、会社ごとに違います。
不安な方は、面接で親会社との関係を聞いたり、6-1の一覧で、いつ認定を受けた会社なのかを見たりしておくと、判断の材料になります。
Q6. いま在籍していて「闇」を感じています。どうすればいいですか?
まずは、その「闇」が会社全体の問題なのか、部署の問題なのか、自分の体調の問題なのかを分けてみてください。
1章で書いたとおり、闇は会社全体より、部署との相性で出てくることが多いからです。部署の問題なら、社内での異動という道が残っていることもあります。
辞めるかどうかの判断の仕方や、辞めたあとの道は、この記事にまとめています。
●辞めどきの見分け方と、辞めた人のその後は、この記事に詳しく書きました。↓
まとめ|「闇」かどうかは、会社名ではなく入る前の確かめ方で変わる

特例子会社の「闇」は、会社名で決まるものではありません。どんな会社・部署なのかを入る前に確かめられるかどうかで、入ってからの感じ方は大きく変わります。
噂8つを確かめた結果は、次のとおりです。
- 本当の部分があるもの:給料の上がりにくさ、仕事ができる人に仕事が集まること(中にいる私も感じてきた2つ)
- 部署と働き方しだいのもの:「つまらない」「人生終了」
- 私の見てきた範囲ではなかったもの:いじめ、「軍隊みたい」な決まり(ただし会社によって違う)
- 見る立場で意味が変わるもの:「ずるい」
- 会社なので、可能性がゼロではないもの:「潰れる」
入る前に見分けるときは、次の3つを押さえておいてください。
- 求人票で、業務内容の具体さと、雇用形態・昇給・賞与・福利厚生を見る
- 見学・実習で、部署の空気と1日の流れを見る
- 面接と、支援員・エージェントで、忙しい時期と異動の仕組みを聞く
私は、同じ会社の中で「つまらない」も「きつい」も経験しました。それでも13年続いたのは、合う場所に移れたからです。
あなたにも、自分に合う場所を入る前に見つけてほしいと思っています。
一人で求人を比べるのが難しければ、次の一歩として、転職エージェントに中の様子を聞くところから始めてみてください。
働く準備から整えたい方は、7-3で紹介した就労移行支援から始める道もあります。
dodaチャレンジがおすすめな人
- どの会社を受けるか、まだ決めていない
- 中の様子を聞いてから応募したい
応募するかどうか決める前の相談から使えます。
※運営はパーソルダイバース株式会社。相談や応募、転職先が決まるかどうかにかかわらず、料金はかかりません。
●特例子会社の仕事の中身や給料、合う人・合わない人は、この記事にまとめています。↓




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