一般雇用で働いていた頃にうつと双極性障害を発症し、精神障害者保健福祉手帳を取得。就労移行支援を経て、大手企業の特例子会社へ。面接を受ける側と、面接をする側の両方に座りました。
はじめに

見学の予約を入れたものの、「当日、何を聞けばいいんだろう」「何を聞かれるんだろう」と落ち着かない気持ちでこのページを開いたのではないでしょうか。
先にお伝えすると、見学は事業所に選ばれる日ではなく、あなたが事業所を選ぶ日なんです。
質問のリストを持って2〜3か所を回り、同じ物差しで比べる。これだけで、合わない事業所を選んでしまう失敗はかなり減らせますよ。
この記事でわかること
- 見学当日の流れと、服装・持ち物
- 面談で聞かれることと、答えにくいときの対応
- 見学で聞くべき質問20(私が実際に聞いた5問を含みます)
- 採用担当から見た「就職につながる事業所」の見分け方
こんな人に読んでほしい
- 就労移行支援の見学を予約した、またはこれから予約する人
- 2〜3か所を見学して、どこに通うか比べたい人
- 休職中で、リワーク(職場復帰に向けた訓練)として短い期間だけ通いたい人
私は精神障害者保健福祉手帳を持つ当事者で、就労移行支援を2回使っています。
1回目は30代中盤、一般雇用で休職し、入院した後のことでした。このときは3か所を見学して比べています。
2回目は40代後半、特例子会社で休職したときのリワークでした。
同時に、特例子会社の元採用担当として、就労移行支援事業所の担当者と求人や会社見学会のやり取りをしてきました。
事業所を「使う側」と、卒業生を「受け入れる側」の両方から見てきたわけです。
くわしい経歴はプロフィールにまとめています。

見学って、面接みたいに評価されるんですか? それが一番緊張していて……。

評価の場ではないので安心してください。事業所の側も「この人にどんな支援が合うか」を知りたくて話を聞くんです。むしろ、こちらが質問するための時間だと思っておくと、ずいぶん気が楽になりますよ。
1. 就労移行支援の見学とは?当日の流れと所要時間

見学は、利用を決める前に事業所を訪ね、雰囲気や訓練の様子を自分の目で確かめる機会です。
この章では、見学が利用開始までのどこにあたるのか、当日は何をするのか、何を着て何を持っていくのかを順番に見ていきます。
初めての見学で緊張しているあなたも、全体の流れが見えれば、当日の自分の動きが想像しやすくなるはずです。
1-1. 問い合わせ → 見学 → 体験利用 → 利用開始までの全体像
見学は、利用開始までの道のりの入口の段階です。
ここで「通うと決める」必要はまだありません。
就労移行支援は、国の制度である障害福祉サービスのひとつです。
使い始めるには、事業所を決めるだけでなく、お住まいの市区町村から「受給者証」(障害福祉サービスを使うための証明書)を受け取る必要があります。
事業所選びと役所の手続きが並行して進むので、最初は分かりにくいんですよね。
一般的な流れは次のとおりです。
- 問い合わせ・見学:気になる事業所に連絡し、見学する
- 体験利用:実際の訓練に数日参加してみる(希望する場合)
- 市区町村の窓口に申請:障害福祉の担当窓口で手続きをする
- サービス等利用計画案の作成:どんな支援をどのくらい使うかの計画書。相談支援事業所に作ってもらうか、自分で作る(セルフプラン)
- 支給決定・受給者証の交付 → 事業所と契約 → 利用開始
(出典:全国社会福祉協議会「障害福祉サービスの利用について(2024年4月版)」)
窓口の名前や必要な書類は、自治体によって異なります。
ただ、手続きの進め方は見学のときに事業所が教えてくれることが多いので、身構えなくて大丈夫です。

手続きまで考えると、なんだか気が遠くなります……。

私も最初はそうでした。初めて就労移行支援を知ったのは、1回目の休職で入院し、退院した後です。病院の社会福祉士(生活や福祉の相談にのる専門職)に教えてもらうまで、そういう場所があることすら知らなかったんです。
2回目のときは、市区町村の窓口に書類をそろえて出し、面談も受けました。休職していた4か月のうち、手続きには前後合わせて1か月ほどかかっています。
見学は、この長い道のりの最初の一歩です。一歩目で決めきる必要はありません。
1-2. 予約の仕方と、当日の流れ(説明 → 見学 → 面談)
予約は電話かホームページの申し込み画面から入れるのが一般的です。当日は1時間前後で終わることが多いですよ。
大手事業所の案内を見ると、見学は1時間前後が基本とされています。事業所の側から見ると、見学は利用を考える人に向けた説明の場です。
そのため、予約さえ入れれば、特別な準備がなくても受け入れてもらえます。
当日は、おおむね次の順で進みます。
- 事業所の説明:支援の内容、1日の時間割、利用までの手続き
- 訓練の見学:実際に講座や作業をしている部屋を見る
- 個別の面談:今の体調や、これまでの経緯、希望する働き方などを話す
- 質疑応答:こちらから聞きたいことを聞く
予約を入れるときに、ぜひ一言添えてほしいことがあります。
- 「訓練中の様子を見られる時間帯はありますか」
- 「個別に質問する時間はとってもらえますか」
訓練のない時間に行くと、がらんとした部屋を見て終わってしまうこともあるんですよね。
利用者がいる時間に行けば、どんな人が通っていて、どんな空気なのかが一目で分かります。
(出典:LITALICOワークス「就労移行支援事業所の見学とは?」)
1回目に3か所を回ったとき、私は「どんな障害の人が多いのか」を必ず聞いていました。何を決め手にしたかは、5章でくわしく書きます。
障害の特性に合わせたコースがあるatGPジョブトレも、見学や説明会の案内を公式サイトで確認できます。
※相談・見学は無料です。事業所は、首都圏(秋葉原・お茶の水・大手町・横浜)と、東海・関西(名古屋・梅田)にあります(公式サイトより)。
1-3. 服装・持ち物・家族や支援者の同行
服装は、清潔感のある普段着で問題ありません。スーツを着ていく必要はないですよ。
持ち物は、次の3つがあれば十分です。
- メモ帳と筆記用具:3か所目に行くころには、1か所目の話を忘れています
- 質問リスト:3章の20問から、自分に必要なものを選んで書き写す
- 障害者手帳・お薬手帳(持っている人):体調や通院の話を整理しながら話せる
1人で行くのが不安なときは、家族や、相談している支援機関の人と一緒に行くこともできます。

メモをとりながら話を聞くのって、失礼になりませんか?

まったく失礼ではありませんよ。事業所の説明は量が多いので、書き留めておかないと2か所目、3か所目で話が混ざってしまいます。比べるためのメモだと思って、遠慮なく書いてください。
(出典:LITALICOワークス「就労移行支援事業所の見学とは?」)
見学の流れと準備が分かったら、次は面談で何を聞かれるのかを押さえておきましょう。2章では、よく聞かれる5つのことと、答えにくい質問への対応を書いていきます。
2. 見学の面談で「聞かれること」と、答え方のコツ

見学の後半には、支援員と1対1で話す面談の時間があることがほとんどです。「うまく話せなかったらどうしよう」と、ここが一番不安かもしれません。
この章では、面談でよく聞かれることと、答えにくい質問が来たときの対応を書いていきます。
2-1. よく聞かれる5つのこと
面談で聞かれる内容は、実はある程度決まっています。事前に見ておけば、当日あわてずにすみますよ。
- 今の体調と通院:主治医はいるか、薬を飲んでいるか、最近の調子はどうか
- ここに来た経緯:就労移行支援を知ったきっかけ、休職や退職の状況
- これまでの仕事:どんな職種を、どのくらいの期間やってきたか
- これからの希望:どんな仕事・働き方をしたいか
- ふだんの生活リズム:何時に起きているか、週に何日なら通えそうか
(出典:LITALICOワークス「就労移行支援事業所の見学とは?」)
うまく答えようとしなくて大丈夫です。
「まだ決まっていません」「そこは迷っています」も、立派な答えなんですよね。
特例子会社の元採用担当として付け加えると、この5つは、障害者雇用の採用面接で聞かれることとよく似ています。採用する側が見ているのも、病名より次の3つだからです。
- 今の体調
- 自分の状態をどう理解しているか
- どんな配慮があれば働けるか
見学の面談は、将来の面接の予行演習にもなると思って臨んでみてください。
採用側が面接で何を見ているかは、障害者雇用で人事が本当に見ている本音にまとめています。
2-2. 言いたくないことは、言わなくていい?
言いたくないことは、見学の段階では話さなくてかまいません。「今日はそこまで話す準備ができていないので、利用が決まったらお話しします」と伝えれば十分です。
見学は、まだ利用を決めていない段階です。知恵袋には、見学で根掘り葉掘り聞かれて困ったという相談がありました。
それに対して、就労支援の職場で働いていたという回答者が「言いたくなければ言わなくて大丈夫」と答えています。事業所の側も、無理に聞き出したいわけではないんです。
一方で、利用が決まった後は、話せる範囲を少しずつ広げていくのがおすすめです。
就労移行支援では、一人ひとりの目標や支援の内容をまとめた「個別支援計画」(あなた専用の支援の計画書)を作ります。
体調の波や苦手なことが共有されていないと、この計画にも反映されにくくなるからです。

過去の休職のことを聞かれたら、正直に話したほうがいいですか?

見学の日は、「休職したことがあります」くらいで十分ですよ。くわしい話は、通うと決めてから支援員と一緒に整理していけばいいんです。私も1回目のときは、入院と退院の直後で、うまく言葉にできないことがたくさんありました。
採用担当をしていた頃、私の勤務先では、面接に支援員が同席するのを基本的に遠慮してもらっていました。本人の言葉で、自分の状態や必要な配慮を聞きたかったからです。
見学の面談で少しずつ話す練習をしておくと、その力はそのまま面接で生きてきますよ。
面談で聞かれることが分かったら、次はあなたが聞く番です。3章では、見学で聞くべき質問を20問にまとめました。
3. 見学で聞くべき質問リスト|目的別に20問

ここからが、この記事の本題です。見学で聞くべき質問を、目的別に5つに分けて20問にまとめました。
全部を聞く必要はありません。あなたが一番気になるものを5〜7問選んで、メモに書き写して持っていってください。
【私が実際に聞いた】と付けた5問は、私が1回目に3か所を比べたときに、実際に聞いた質問です。
3-1. 就職実績・定着率|数字の聞き方
就職実績は、「何人が就職したか」だけで終わらせず、どこに、どのくらいの期間で就職し、その後も続いているかまで聞いてください。
就労移行支援の事業所は、国から支払われる報酬の額が、卒業生の「就職後6か月以上定着した割合」によって変わる仕組みになっています。
つまり、事業所にとって定着率は大切な数字です。聞かれて困るような質問ではありません。
(出典:厚生労働省「就労移行支援」資料)
- Q1. これまでの就職先は、どのようなところですか?【私が実際に聞いた】
- Q2. いま、どのような求人が来ていますか?【私が実際に聞いた】
- Q3. 就職した人は、半年後・1年後も働き続けていますか?
- Q4. 通い始めてから就職するまでの期間は、どのくらいの人が多いですか?【私が実際に聞いた】
Q2は、私にとって一番の決め手になった質問です。3か所のうち1か所には、私の希望に合う大手企業からの求人が実際に届いていました。
「どこと付き合いがある事業所か」は、この質問で一番よく見えてきます。
3-2. プログラムの内容と、一人ひとりへの支援
プログラムは、パンフレットの講座名を見るより、1日の流れで説明してもらうほうが、通ったときの自分を想像できます。
- Q5. どのような講義や訓練があるか、1日の流れで教えてください【私が実際に聞いた】
- Q6. 実際の仕事に近い訓練はありますか?(パソコン作業、事務の模擬業務など)
- Q7. 個別支援計画は、どのように作って、どのくらいの間隔で見直しますか?
- Q8. 企業での実習(職場で実際に働いてみる体験)はありますか?
Q6は、私の2つめの決め手でした。当時の私には、すでに5年以上の社会人経験がありました。
そのため、基礎的なビジネスマナーなどの講座が多い事業所より、実際の業務に近い作業が多い事業所のほうが、入社してからの自分を想像しやすかったんです。
3-3. 通所ペース・在宅訓練・体調が悪い日の対応
「週5日通えるかどうか」を心配している人は、次の2つを必ず聞いておいてください。
- 最初は週何日から始められるか
- 体調が悪い日にどうなるか
- Q9. 最初は週何日から始められますか?
- Q10. 自宅で訓練を受けられる日はありますか?
- Q11. 体調が悪い日は、どう連絡すればいいですか? 休みが続いたときはどうなりますか?
- Q12. 主治医と情報をやり取りしてもらえますか?

2回目のリワークで通ったとき、私は週3日通所・週2日在宅から始めて、少しずつ週5日に近づけていきました。体調が悪い日は正直に伝えて、在宅に切り替えたこともあります。そのとき支援員に入れていた事前の連絡や報告は、そのまま仕事の練習にもなりました。
通所日数の慣らし方は、就労移行支援は週5がきつい人へでくわしく書いています。
3-4. 費用・利用期間・手続き
お金と期間の話は聞きにくいですよね。でも、ここがあいまいなまま通い始めると、後から困ります。
- Q13. 私の場合、自己負担は月いくらになりそうですか?
- Q14. 交通費や昼食の補助はありますか?
- Q15. 利用期間の目安はどのくらいですか?
- Q16. 受給者証の手続きを手伝ってもらえますか?
自己負担には、世帯の収入に応じた月ごとの上限があります。
| 区分 | 世帯の状況 | 1か月の上限 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護を受けている世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税が非課税の世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税が課税の世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
| 一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
(出典:全国社会福祉協議会「障害福祉サービスの利用について(2024年4月版)」)
私は2回目のとき、共働きで市町村民税がかかる世帯だったので、月9,300円を払いました。毎日のプログラムと通勤の練習を考えると、払う価値はあったと感じています。
利用期間は、標準で24か月(2年)の中で一人ひとり設定されます。
交通費や昼食の補助は、事業所やお住まいの地域によって違いがあります。
Q14は必ず聞いておきたい質問です。
(出典:厚生労働省「就労移行支援」資料)
リワーク目的で短い期間だけ通いたい人は、Q15に「短い期間でも受け入れてもらえますか」を足してください。私が実際に確かめた話は5章に書きます。
3-5. 支援員の人数・経験と、担当の変更
最後は「人」の質問です。毎日顔を合わせるのは、プログラムより支援員と、ほかの利用者なんですよね。
- Q17. どのような障害の人が多く通っていますか?【私が実際に聞いた】
- Q18. 支援員は何人いて、1人で何人くらいを担当していますか?
- Q19. 支援員の方は、どのような経歴の方が多いですか?(企業での勤務経験、資格など)
- Q20. 担当の支援員と合わないとき、変更を相談できますか?
Q17は、私の3つめの決め手でした。障害の特性が似ている人が多い事業所なら、プログラムの進め方も、周りの人との距離感も合いやすいと考えたからです。
Q19については、2回目に通った事業所の支援員に、転職エージェントとして働いた経験があり、社会人歴も長い方がいました。
人事を経験していた私でも、学ぶことが多かったんです。支援員の経歴を聞くのは失礼ではありません。
答え方にも、その事業所の姿勢が出ますよ。

20問もあると、全部は聞けそうにありません……。

全部はいりませんよ。迷ったら、私が実際に聞いた5問(Q1・Q2・Q4・Q5・Q17)から始めてみてください。3か所で同じ質問をすると、違いがはっきり見えてきます。
質問リストができたら、まずは1か所、見学を申し込んでみませんか。職場を再現した環境での訓練が特徴のミラトレは、公式サイトで見学・相談の案内を確認できます。
※資料請求・相談は無料です。事業所は、東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫にあります(公式サイトより)。
質問への答えを聞いても、「結局どこが良い事業所なのか」は迷うものです。
4章では、特例子会社の元採用担当として見ていた「この事業所の出身なら安心」と感じる基準を書いていきます。
4. 元採用担当が見ていた「この事業所の出身なら安心」の見分け方

3章の質問への答えを聞いても、「で、結局どこが良いの?」と迷うのが自然なんですよね。
この章では、特例子会社の元採用担当として、卒業生を受け入れる側から見ていた4つの基準を書きます。どれも、見学の場で確かめられるものです。
- 4-1. 企業とのつながりがあるか
- 4-2. 就職先・雇用形態・続いている年数が分かるか
- 4-3. 応募書類を一緒に作ってくれるか
- 4-4. 就職後も、会社との面談に来てくれるか
私は採用担当をしていた頃、就労移行支援事業所やエージェントの担当者と、求人のやり取りや会社見学会・説明会で直接関わる機会がたくさんありました。
事業所を外から見てきた立場だからこそ言えることを、正直にお伝えしますね。
4-1. 企業とつながりのある事業所は、会社見学や実習の話が具体的
企業とのつながりが強い事業所ほど、求人や会社見学、実習の話が具体的に出てきます。
採用する側から見ると、求人を出したり、会社見学会を開いたりするときに声をかける事業所は、ある程度決まってきます。
やり取りを重ねた事業所ほど、会社の仕事内容や職場の雰囲気を理解してくれているからです。
そういう事業所は、見学のときにも「こういう業種の会社から、こういう仕事の求人が来ています」と、はっきり答えられます。
見分けるときは、次の2つに注目してみてください。
- 3章のQ2(いま来ている求人)への答え方:社名は言えなくても、業種・職種・雇用形態まで具体的に出てくるか
- 「会社見学会や実習に、支援員が一緒に行ってくれますか」への答え:企業との距離感がよく分かる

採用担当をしていた頃、支援員が同行して会社見学に来る人と、本人だけで面接に来る人とでは、内定率も入社後の定着率もかなり違うと感じていました。支援員が付き添えるのは、その会社とのつながりがあるからこそなんです。
1回目の私が一番の決め手にしたのも、希望に合う大手企業からの求人が、実際にその事業所に届いていたことでした。
4-2. 「就職者数」より「どこに・どんな雇用形態で・何年続いているか」
ホームページの「就職者◯名」という数字だけでは、事業所の良し悪しは分かりません。見てほしいのは、数字の中身です。
就職者の数は、事業所の規模や、通っている人の数で大きく変わります。在籍している人が多い事業所なら、就職者数が多いのは当たり前ですよね。
それより、次の3つを聞いてみてください。
- どこに:どんな業種・職種に就職しているか
- どんな雇用形態で:正社員、契約社員、パートなど、どの形が多いか
- どのくらい続いているか:半年後、1年後も働き続けている人の割合(3-1のQ3)
採用担当として卒業生を見ていて感じたのは、長く働き続けられる人ほど、自分の状態をよく理解していて、必要な配慮をはっきり言葉にできるということでした。
採用する側が見ているのは、病名ではなく「安定して働き続けられるかどうか」です。
定着している卒業生が多い事業所は、そこを一緒に整理する支援ができている事業所だと、私は考えています。
先ほど3-1で書いたとおり、定着率は事業所にとっても大切な数字です。
答えがあいまいなときは「数字がまとまっていれば、後日でも教えてください」と頼んでみてください。
4-3. 応募書類を一緒に作ってくれるか
履歴書だけでなく、自分の状態や配慮を伝える書類づくりを手伝ってくれるかどうかも、大きな差になります。
障害者雇用の応募では、「ナビゲーションブック」や「就労パスポート」(自分の特性や必要な配慮をまとめた書類)を添えることがあります。
採用担当として受け取っていた立場から言うと、こうした書類があると「この人と一緒に働く場面」がぐっと想像しやすくなるんです。

私自身も、2回目に復職するとき、支援機関のアドバイスを受けて「症状別対処法」という1枚のリストを作りました。躁・軽躁・平常時・軽うつ・うつの5段階で、それぞれの状態でよく出る行動と対処法をまとめたものです。上長と支援員に渡しておいたことで、周りが私の変化に気づいてくれるようになりました。
見学では、「応募書類や、配慮をまとめた書類づくりは、個別に手伝ってもらえますか」と聞いてみてください。
書き方の具体例は、ナビゲーションブックの書き方と記入例にまとめています。
4-4. 就職後、企業との面談に来てくれるか(定着支援)
就職はゴールではありません。
就職した後も、会社とあなたの間に入ってくれるかを確かめておいてください。
就労移行支援の事業所には、利用者が就職した後、少なくとも6か月間は職場に定着できるよう支援することが、国の基準で求められています。
ただ、実際にどのくらいの頻度で会社を訪ねてくれるか、どこまで間に入ってくれるかは、事業所によって差が出るところなんですよね。
(出典:厚生労働省「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」)
採用する側としては、入社した人の後ろに支援機関がついていると分かるだけで、安心感がまったく違いました。
私の勤務先では、面接への支援員の同席は基本的に遠慮してもらっていました。それでも、支援機関を使っていること自体は伝えてほしいと思っていたほどです。
困ったときに相談できる先があると見えることが、そのまま受け入れる側の安心材料になるからです。
正直に書くと、精神障害のある方の応募書類を見るとき、就労移行支援などの支援機関を使っているかどうかは、私にとって大きな判断材料のひとつでした。
通所を続けてきたこと自体が、生活リズムと体調を保ってきた実績として読めるからです。

就労移行支援に通っていないと、不利になるんですか?

通っていないから不利になると決まっているわけではありませんよ。主治医やハローワークと連携していることが書類から伝われば、同じように安心材料になります。
見学で聞くなら、「就職した後、会社との面談には来てもらえますか。どのくらいの頻度ですか」の一言で十分ですよ。

4つ全部を満たす事業所なんて、あるんでしょうか?

全部そろっていなくても大丈夫ですよ。大事なのは、あなたの目的に一番関係する基準を満たしているかどうかです。すぐ就職したい人なら4-1と4-2、職場で長く働き続けたい人なら4-3と4-4を重く見る、という使い分けで十分です。
ここまでが採用する側から見た基準です。次の5章では、私自身が2回、事業所を選んだときに何を確かめたのかを、利用者として振り返ります。
5. 【体験談】2回通って分かった、見学で確かめておきたいこと

私は就労移行支援を2回使いました。1回目は就職するため、2回目は職場に戻るためです。
目的が違うと、見学で確かめることも変わりました。あなたの状況に近いほうを参考にしてみてください。
| 1回目 | 2回目 | |
|---|---|---|
| 時期 | 30代中盤(一般雇用で休職・入院の後) | 40代後半(特例子会社13年目の休職中) |
| 目的 | 就職する | 職場に戻る(リワーク) |
| 見学で重く見たこと | 求人と就職実績 | 通勤の練習になる距離と、短期の受け入れ |
| 通った期間 | 3か月ほど | 2か月 |
5-1. 1回目:退院後、3か所を見学して比べた
1回目は30代中盤のときでした。
3か所を見学して、「希望に合う求人が来ているか」を一番の決め手にしました。
当時の私は一般雇用で働いていて、3社目の会社でうつを再発して休職しました。その後入院し、双極性障害と診断されています。
担当医からは、精神障害者保健福祉手帳を取って、障害者雇用という道を考えてみてはどうかとすすめられました。
退院した後、病院の社会福祉士から教えてもらったのが就労移行支援です。存在を知ったのは、このときが初めてでした。
見学では、次の5つを聞きました(3章で【私が実際に聞いた】と付けた質問です)。
- どんな障害の人が多いのか
- 就職先はどのようなところか
- どのような求人が来ているか
- どのような内容の講義があるか(1日の流れで)
- 就職するまでにかかる期間はどのくらいが多いか
3か所を比べて選んだのは、ウイングル(現在のLITALICOワークス)でした。決め手は、次の3つです。
- 希望に合う大手企業からの求人が、実際に届いていて、就職の実績もあった(一番重く見た点)
- 障害の特性が似ている人が多かった
- 訓練が実際の業務に近かった
私が通う目的は、就職して、今度こそ長く働き続けることでした。だから、求人が来ていて実績もある事業所なら、ゴールまでの道のりが一番はっきり見えると考えたんです。
※通っていたのは十数年前のことです。今のサービスの中身は、7-5で公式サイトの情報をもとに紹介します。
そこに3か月ほど通って、フルタイムで働ける体力と、仕事の感覚を少しずつ取り戻しました。
休職から約1年後、特例子会社に障害者雇用で入社し、いまも同じ会社で働き続けています。
今振り返ると、就労移行支援を飛ばして直接就職していたら、続かなかったと思います。
5-2. 2回目:リワーク目的で「短期でも受け入れてもらえるか」を先に確かめた
2回目は40代後半、特例子会社に入って13年目に休職したときです(休職は人生で2回目でした)。
このときは見学の前に、「短い期間でも受け入れてもらえるか」を説明会や電話で確かめました。
休養して1か月半ほどたったころ、体調が戻ってきたのを感じ、次は通勤とフルタイム勤務に戻るための準備が必要だと考えました。
そこで思い出したのが、1回目の就労移行支援です。当初は、1か月ほどのリワークで復職するつもりでした。
ところが、調べてみて初めて知ったことがあります。短期の受け入れは、次の理由から、事業所や会社の方針によっては難しいとのことでした。
- 就労移行支援は、目安として6か月から1年半ほど通うことを前提に受け入れている事業所が多い
- 1か月では最低限のプログラムもこなせず、支援計画も立てられない
- 就職後の定着支援まで考えると、短い期間では支援がしきれない

では、リワーク目的の短期利用は、あきらめたほうがいいんでしょうか?

あきらめなくて大丈夫ですよ。私の場合は、仕事で付き合いのあった事業所の担当者をたまたま知っていたこともあり、「最低でも2か月」という条件で受け入れてもらえました。ただ、これは事業所ごとに判断が分かれるところです。見学を申し込む前に、電話や説明会で必ず聞いておいてください。
結果的に、1か月では生活リズムと仕事の感覚を戻すには足りなかったと思います。
2か月の準備期間があったからこそ、復職の初日からフルタイムで働き始めることができました。
通った事業所の中身や費用はatGPジョブトレIT・Webは評判通り?に、休職から復職までの全体の流れは休職から復職の体験談に書いています。
5-3. 事業所選びの条件は、2つに絞った
2回目は、見学に行く前から、選ぶ条件を2つに絞っていました。条件が決まっていると、見学で聞くことも自然に絞れます。
私が決めた条件は、次の2つです。
- 通勤の練習になる距離:電車に30分前後乗って通える場所
- 学んだことのない分野を学べる:これまで縁のなかったIT・Web系のカリキュラムがある
条件を2つに絞れたのは、人事・採用の仕事で、いろいろな就労移行支援事業所と関わってきた経験があったからだと思います。
候補はある程度決まっていて、選んだのはatGPジョブトレIT・Webでした。
事務の仕事が長かったので、これからの時代にはHTMLなどの基本を知っていることが強みになると考えたんです。
1回目と2回目を比べると、見学で重く見たことはまったく違いました(5章の最初の表のとおりです)。
見学の前に、あなたの目的を一言で書き出してみてください。
それだけで、20問の中から聞くべき質問が自然に決まってきますよ。
IT・Webのスキルを身につけながら就職や復職を目指したい人は、atGPジョブトレIT・Webの見学から始めてみてください。
※相談・見学は無料です。事業所は、東京(渋谷・秋葉原・浜松町)、千葉(船橋)、埼玉(大宮)、大阪にあります(公式サイトより)。
見学で聞くことが決まったら、次は見学した後の比べ方です。6章では、2〜3か所を同じ物差しで比べる方法と、体験利用で見るポイントを書いていきます。
6. 見学した後の比べ方と、体験利用で見るポイント

見学から帰ると、「どこも良さそうに見えて決められない」という状態になりやすいんですよね。
知恵袋でも、見学をいくつかしたものの決めきれないという相談をよく見かけます。
この章では、見学の後に迷わないための比べ方と、体験利用で確かめたいことを書いていきます。
6-1. 2〜3か所を見学して、同じ表で比べる
見学は2〜3か所がちょうどいい数です。
そして、同じ項目の表に書き込んで比べるのがおすすめです。
1か所だけだと、比べる物差しがないので、良し悪しが判断できません。逆に5か所、6か所と回ると、見学だけで疲れてしまいます。

私も1回目は3か所を比べました。3か所あれば、「ここは求人が強い」「ここは訓練が実務に近い」と、それぞれの違いがはっきり見えてきます。
表にするときは、3章の質問に合わせて次の項目を並べると、そのまま使えますよ。
| 比べる項目 | A事業所 | B事業所 | C事業所 |
|---|---|---|---|
| 来ている求人・就職先(Q1・Q2) | |||
| 半年後・1年後の定着(Q3) | |||
| 1日の流れと訓練の中身(Q5・Q6) | |||
| 始められる日数・在宅の可否(Q9・Q10) | |||
| 自己負担と補助(Q13・Q14) | |||
| 通っている人の障害と雰囲気(Q17) | |||
| 通いやすさ(家からの時間) |
全部の欄を埋める必要はありません。5章で書いたように、あなたの目的に関係する項目に印を付けて、そこを中心に比べてみてください。
6-2. 体験利用で確かめたい3つのこと
見学で候補を1〜2か所に絞ったら、体験利用に進みましょう。体験利用では、実際の朝礼やプログラム、昼休み、終礼までの流れを経験できます。
見学が「見る」なら、体験は「通ってみる」段階なんです。体験では、次の3つを意識してみてください。
- 通った後の疲れ具合:家から通って1日過ごし、翌日にどのくらい疲れが残るか
- 支援員の対応:質問したときや、体調の話をしたときに、どう返してくれるか
- ほかの利用者との相性:障害の特性が近い人がいるか、無理なく同じ部屋にいられるか
(出典:LITALICOワークス「就労移行支援事業所の見学とは?」)
1つめの通勤は、見学では分かりません。
2回目に私が事業所を選んだときも、「電車で30分前後」を条件にしたのは、通うこと自体が復職に向けた練習になると考えたからでした。
朝の混んだ電車に乗って、実際に通えるかどうか。体験の日は、ぜひふだん通う時間帯に家を出てみてください。
6-3. その場で決めなくていい。断っても大丈夫
見学や体験の日に「利用しますか?」と聞かれても、その場で決める必要はありません。
「ほかも見てから決めます」と答えて大丈夫ですよ。
就労移行支援は、原則として最長2年という限られた期間を使うサービスです。見学1回で即決して合わなかったら、その時間がもったいないですよね。
就労支援の現場で働く人の記事でも、次の2つは、よくある失敗として挙げられています。
- 体験せずに即決する
- ほかの事業所と比べずに決める
(出典:就労支援ラボ「後悔しない!就労移行支援を見学する時の質問内容とポイント7つ」)
断るときは、電話かメールで「検討した結果、ほかの事業所を利用することにしました。ご案内ありがとうございました」と伝えれば十分です。
理由をくわしく説明する必要もありません。

見学までしてもらったのに断るのは、申し訳ない気がします……。

気にしなくて大丈夫ですよ。事業所の側も、見学した人が全員利用するとは考えていません。むしろ、合わないまま通い始めてすぐにやめてしまうほうが、お互いにとってつらいんです。はっきり伝えてもらえるほうが、事業所も助かります。
比べ方が分かったら、最後は「どこを見学するか」です。7章では、目的別に見学先の候補になる事業所を紹介します。
7. 目的別|見学先の候補になる就労移行支援事業所

ここでは、目的別に見学先の候補を紹介します。最後の7-5では、私が1回目に実際に通った事業所も紹介しますね。
どれも業界大手で、専門性が高く、情報量も多いサービスです。人事として支援機関と関わってきた中でも、支援員や利用者のレベルが全体的に高いと感じていました。
| 目的 | 見学先の候補 | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| 障害の特性に合わせて学びたい | atGPジョブトレ(7-1) | 相談・見学 |
| IT・Webを学びたい | atGPジョブトレIT・Web(7-2) | 相談・見学 |
| AI・データ分析を学びたい | Neuro Dive(7-2) | オンラインのWEB説明会 |
| 幅広い職種を目指したい | ミラトレ(7-3) | 相談・見学 |
| まず生活リズムを整えたい | エンラボカレッジ(7-4) | 無料相談 |
| 家の近くで探したい | LITALICOワークス(7-5) | 見学・相談 |
ただし、ここで紹介するのは「見学に行く候補」です。最終的には、3章の質問と6章の表で、あなた自身の目で比べてみてください。
転職サイトの比較はatGPとdodaチャレンジの比較に書いています。
7-1. 障害の特性に合わせて学びたい:atGPジョブトレ
障害の種類ごとにコースが分かれている就労移行支援です。同じ特性のある人と一緒に訓練したい人に合っています。
運営は、障害者向けの転職サービス「atGP」を持つ株式会社ゼネラルパートナーズです。コースは、うつ症状、発達障害、統合失調症、聴覚障害、難病の5つがあります。
私が1回目に3か所を比べたとき、決め手のひとつは「障害の特性が似ている人が多いこと」でした。コースが分かれていれば、その点を最初から確保しやすいのが強みです。
atGPジョブトレがおすすめな人
- 同じ障害の特性のある人と一緒に訓練したい人
- うつ症状・発達障害・統合失調症・聴覚障害・難病のどれかのコースが合いそうな人
- 首都圏・名古屋・梅田の事業所に通える人
同じ特性の仲間と訓練したい人は、atGPジョブトレのコースを確かめてみてください。
※相談・見学は無料です。事業所は、首都圏(秋葉原・お茶の水・大手町・横浜)と、東海・関西(名古屋・梅田)にあります(公式サイトより)。
(出典:atGPジョブトレ公式サイト)
7-2. IT・Web・AIを学びたい:atGPジョブトレIT・Web/Neuro Dive
IT系の仕事を目指す人には、この2つが候補になります。
2つの違いは、atGPジョブトレIT・Webは評判通り?の6章でくわしく比べています。
atGPジョブトレIT・Webは、ゼネラルパートナーズが運営し、デジタルハリウッドと提携しています。
Webデザイナー・ITエンジニア・動画編集の3つのコースがあります。
私が2回目にリワークで通い、WebデザインとHTMLの基本を学んだのがここです。
atGPジョブトレIT・Webがおすすめな人
- Webデザイナー・ITエンジニア・動画編集のどれかを目指したい人
- 事務などのこれまでの経験に、IT・Webの基本を足したい人
- 東京・千葉・埼玉・大阪の事業所に通える人
Webデザインや動画編集を学びたい人は、atGPジョブトレIT・Webをチェックしてみてください。
※相談・見学は無料です。事業所は、東京(渋谷・秋葉原・浜松町)、千葉(船橋)、埼玉(大宮)、大阪にあります(公式サイトより)。
Neuro Diveは、パーソルダイバース株式会社が運営しています。AI(機械学習)やデータ分析、業務の自動化などの先端IT分野を学べる事業所です。
私が通っていた頃は知りませんでした。通える範囲にあれば、間違いなく見学の候補に入れていたと思います。
Neuro Diveは、最初の一歩が「オンラインの説明会」です。
事業所に行く前に、自宅から話を聞けます。
Neuro Diveがおすすめな人
- AI・データ分析・業務の自動化など、先端のIT分野を学びたい人
- 事業所に行く前に、まずは自宅から説明を聞いてみたい人
- 秋葉原・渋谷・横浜・大阪・福岡の事業所に通える人
AIやデータ分析を学びたい人は、Neuro Diveの説明会から始めるのがおすすめです。
※無料のWEB説明会(30分ほど)を毎週オンラインで開いていて、自宅から参加できます。説明会の後には、希望すれば個別の相談の時間もあります。事業所は、秋葉原・渋谷・横浜・大阪・福岡にあります(公式サイトより)。
(出典:Neuro Dive公式サイト「ご利用開始までの流れ」)
7-3. 幅広い職種を目指したい:ミラトレ
まだ目指す職種が決まっていない人や、事務職などを幅広く考えたい人に合っています。
運営はパーソルダイバース株式会社です。職場を再現した環境で、実際の仕事に近い作業を行う「模擬就労」を特徴にしています。
対象は身体・知的・精神・発達障害と難病で、原則として最長2年間通えます。
「実際の業務に近い訓練」は、私が1回目に重く見たポイントのひとつでした。社会人経験がある人ほど、この違いを感じやすいと思います。
ミラトレがおすすめな人
- 目指す職種が、まだはっきり決まっていない人
- 職場に近い環境で、仕事の練習をしたい人
- 東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫の事業所に通える人
仕事に近い環境で練習したい人は、ミラトレの見学で模擬就労の様子を見てみてください。
※障害者向けの転職サービス「dodaチャレンジ」と同じ会社が運営しています。資料請求・相談は無料です(公式サイトより)。
(出典:ミラトレ公式サイト)
7-4. まず生活リズムを整えたい:エンラボカレッジ
「いきなり就職の訓練は、まだ自信がない」という人には、ひとつ前の段階から始める選択肢もあります。
エンラボカレッジは、就労移行支援ではなく自立訓練(生活訓練)の事業所です。
自立訓練とは、生活リズムや人とのコミュニケーションなど、生活の土台を整えるための障害福祉サービスです。
10代〜30代の発達障害のある方が多く通っていて、診断を受けていない人も利用しています。利用期間は最大2年です。
卒業後の進路には、就労移行支援を経て就職する道も挙げられています。
就労移行支援の見学で「まずは生活リズムから」と言われた人は、こちらも見学の候補に入れてみてください。
エンラボカレッジがおすすめな人
- 就職の訓練の前に、まず生活リズムを整えたい人
- 10代〜30代で、発達の特性による生きづらさがある人
- 診断を受けていないけれど、相談してみたい人
生活の土台から整えたい人は、エンラボカレッジのプログラムをのぞいてみてください。
※株式会社エンラボが運営しています。事業所は、神奈川(横浜・川崎など)、東京(蒲田・府中)、大阪(なんば・梅田)、宮崎にあります(公式サイトより)。
(出典:エンラボカレッジ公式サイト)
7-5. 当事者として通った事業所:LITALICOワークス
私が1回目に通ったのは、当時「ウイングル」という名前だった、今のLITALICOワークスです。
運営会社は2014年6月に、株式会社ウイングルから株式会社LITALICOへ名前を変えています。
(出典:株式会社LITALICO 沿革)
いまは全国に170か所以上の事業所があります。2025年度には2,585人が就職し、就職から6か月後の定着率は90.7%と公表されています。
この記事で何度も出典にしている見学の案内も、LITALICOワークスのものです。
(出典:LITALICOワークス「就労支援実績」)
私が通ったのは十数年前なので、プログラムの中身は当時と変わっているはずです。
ただ、3か所を比べたときに決め手になった次の3つは、今も見学で確かめる価値があると思います。
- 大手企業からの求人
- 障害の特性が近い人の多さ
- 実務に近い訓練
事業所の数が多いので、家から通える範囲で見学先を探しやすいのも強みですよ。
見学先の候補が決まったら、あとは予約を入れるだけです。最後に、見学についてよく聞かれる質問に答えていきます。
8. よくある質問(Q&A)

最後に、見学についてよく聞かれる質問にまとめて答えます。ここまでの章で書いたこと(服装、何か所見学するか、断り方など)は、それぞれの章を見てくださいね。
Q1. 見学にお金はかかりますか?
多くの事業所で、見学や個別の相談は無料です。
LITALICOワークスでも、見学・個別相談は無料と案内されています。
お金がかかるのは、受給者証を受け取って、実際に利用を始めてからです。3-4で書いた自己負担の上限を目安にしてください。
(出典:LITALICOワークス「よくわかる!就労移行支援」)
Q2. 障害者手帳がなくても、見学や利用はできますか?
見学は、手帳がなくても受け付けている事業所がほとんどです。利用についても、手帳を持っていない人が自治体の判断で利用できる場合があります。
医師の診断書などが判断の材料になることが多いので、見学のときに「手帳がないのですが」と伝えてみてください。
(出典:LITALICOワークス「よくわかる!就労移行支援」)
Q3. 休職中でも、見学や利用はできますか?
見学はできます。利用については、一定の条件を満たした場合に認められることがあります。
たとえば池田市(大阪府)の案内では、会社と主治医の両方が「就労移行支援などで復職支援を受けるのが適当」と判断していることなどが条件として挙げられています。
(出典:池田市「休職中の障害福祉サービス(就労移行支援事業、就労継続支援事業等)の利用について」)
私も2回目は休職中の利用でした。
細かい条件は、お住まいの自治体や主治医にご確認ください。
休職から復職までの流れは休職から復職の体験談に書いています。
Q4. 見学の前に、主治医に相談したほうがいいですか?
できれば、ひと言伝えておくのがおすすめです。利用の手続きでは、主治医の診断書や意見書が必要になることが多いからです。
私が2回目に手続きをしたときも、主治医の診断書を用意しました。見学の段階で主治医が知っていると、その後の話がスムーズに進みますよ。

主治医に「就労移行支援はまだ早い」と言われたら、どうしたらいいですか?

その場合は、主治医の意見を優先してくださいね。見学だけなら体に負担は少ないので、「見学だけ行ってみてもいいですか」と聞いてみるのもひとつの手です。7-4で紹介した自立訓練のように、ひとつ前の段階から始める道もあります。
Q5. 見学の日に体調が悪くなったら、どうすればいいですか?
無理に行かず、事業所に電話かメールで連絡して、日程を変えてもらってください。体調に波があるのは、事業所の側もよく分かっています。
むしろ、体調が悪いときに前もって連絡を入れられることは、通い始めてから、そして働き始めてからも必要になる力なんです。
3-3で書いた「事前の連絡」の練習だと思えば、気持ちも少し楽になりますよ。
まとめ

就労移行支援の見学は、あなたが事業所を選ぶための日です。最後に、この記事のポイントを振り返りますね。
- 準備:普段着にメモと質問リストを持って、訓練をしている時間帯に予約する
- 面談:聞かれることは5つほど。言いたくないことは、見学の段階では話さなくていい
- 質問:20問から、あなたの目的に合う5〜7問を選ぶ。迷ったら、私が実際に聞いた5問から
- 見分け方:求人の中身、就職先と定着、書類づくりの支援、就職後のフォローを確かめる
- 比べ方:2〜3か所を同じ表で比べ、体験利用で通ってみてから決める
私は1回目、3か所を見学して、希望に合う求人がある事業所を選びました。そこで3か月通って体力と仕事の感覚を取り戻し、特例子会社に入社して、今も働き続けています。
2回目はリワークとして、短期で受け入れてもらえる事業所を選びました。
目的がはっきりしていれば、見学で聞くべきことは自然に決まります。
まずは気になる事業所を2〜3か所選んで、見学の予約を入れてみてください。その一歩が、あなたに合う働き方への入口になりますよ。
迷ったら、障害の特性に合わせたコースがあるatGPジョブトレから見学してみてください。
※事業所は、首都圏(秋葉原・お茶の水・大手町・横浜)と、東海・関西(名古屋・梅田)にあります(公式サイトより)。
近くにジョブトレの事業所がない人や、まずは自宅から話を聞いてみたい人は、Neuro Diveのオンライン説明会から始めてみてください。
※無料のWEB説明会(30分ほど)を毎週オンラインで開いていて、自宅から参加できます。事業所は、秋葉原・渋谷・横浜・大阪・福岡にあります(公式サイトより)。


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